第14回 製品監修/マスタリングエンジニア 守屋忠慶(Tadayoshi Moriya)氏
―この度は取材をお受け頂きありがとうございます。
まず守屋さんご自身の活動からお聞きします。このお仕事の始まりはどんな感じだったんですか?
守屋氏)元々は同人活動、同人CDというものがありまして、そのゲームとかのアレンジ音楽を作ってる側でした。
―そうだったんですね。
守屋氏)それをやりながら友人のCDとか自分のオムニバスとかのマスタリングをしているうちに、マスタリング作業自体に興味が湧いてきて、こういうマスタリングエンジニアの道にたどり着いたという感じです。
―すごいですね。
守屋氏)元々はゲーム系の作曲家になりたかったんです。いろいろあって結局エンジニアになってるといった感じです。それが大学生の時期でした。
―じゃあ自分で機材を買い足しながら。
守屋氏)実際のところはアマチュア時代は長くて30代の時に今のA.O.M.に入社した感じです。そこまでは曲も作ったり、エンジニアをやったりいろいろでした。機材自体は好きでいろんなものを調べてきましたね。
―A.O.M.に入社時はTANNOYをお使いだったんですね。
守屋氏)そうですね、正確には自分はフリーランスの時代にA.O.M.のモニターの一人だったんです。プラグインの開発のテストとかモニターをする人のひとりで、A.O.M.から社員としてオファーがあったという事です。そこが始まりですね。
―そのころはA.O.M.には専任のエンジニアさんはいなくて。
守屋氏)社長の久保がエンジニア仕事もしていて、もともとはエンジニア仲間で仲良くしていました。それでプラグインを作っているというところで、自分の要望するプラグインを作ってもらったりだとか、新しいプラグインができたらそれをチェックしてフィードバックを返していくというのが何年も続いていました。社員になる前に。
ーそうだったんですか。なるほど。
守屋氏)程なくA.O.M.が法人化してしばらくしてから社員の打診を頂いてという感じです。
ーSGM10BからKSD C120に移行するまでにはほかの候補のスピーカーも探されていましたか。
守屋氏)SGM10BにはMANLEY ML10というカスタムのボックスがあるんですね。ユニットを入れ替えるとML10になるというものがあって、それを教えてくれたのがエンジニアの渡辺さんでその方が使っているメインスピーカーだったんです。SGM10Bにするのも自分の環境がプアだったので、さらにその前はKRKのV4だったので、主にヘッドホンで作業するやり方をしていて、でもそれではトッププロの音を処理するというお仕事なのにそれでは差支えがあったので、それでTANNNOY SGM10Bにして作業していました。ゆくゆくはMANLEYにしようかとか、他にはALTEC 612Cはかなり好きでした。大型のものに結構惹かれていました。あれじゃないとわからない音があるなというのが結構印象的で記憶にあります。
ーじゃあ同軸で探されていたんですね。
守屋氏)同軸は自分と相性がいいみたいで、同軸以外でも好きなものは一部あるんですけど、やっぱり好きなのは同軸が多かった気がします。
―守屋さんがこだわるモニタースピーカーに望むものってありますか。
守屋氏)僕はバンドのサウンドを扱う事が多いんですけどキックのアウトの音がきれいに聴こえるスピーカー、これの難易度が高くて、やっぱりロー(低域)がかなり低いところまで出る、少なくとも10インチ以上の口径のスピーカーじゃないと難しいです。周波数的には200,300Hzあたりですが、鳴るスピーカーがほどんどないと。ここの抜け感とか、体感的に生ドラムとかけ離れていたりすると自分はちょっと違和感を感じてしまいます。自分にとってそれは得意なスピーカーではなくなってしまうので、ここを重視することが多いですね。
ーなるほど。具体的でわかりやすいです。
守屋氏)次に重視するのは、これもロックバンドには特有なんですけどディストーションギターを左右に振った時のローミッドあたりの解像度ってかなり落ちちゃうスピーカーが多いんです。ローエンドとかに関してはヘッドホンで聴くこともできるんですけど、ここに関してはヘッドホンで聴くのも結構難しいのが多かったりするので、やっぱりどうしても柔らかい音がしてぼやけちゃったりとか、そういうものが多くてそういうところの再生能力が高いスピーカーを求めているっていうのがあります。
―そうなってくると口径が大きいほうが優位という。
守屋氏)いわゆるサブウーハーはモノラルサブウーハーで足すのではなく、ちゃんとステレオの部分でしっかりローが出るスピーカーを好む部分はあります。
―もちろん口径が大きいからよいというわけではなく。
守屋氏)口径が大きくて鳴りが多くなってしまうものもあったりするので、15インチとかになってしまうと少し古い響きがするなと思うものもやっぱり多くて、それが無いようなハイエンドスピーカーは素晴らしんですけど、やっぱり予算的なものとか難しくなってくるので10インチ前後のものとかが無難に収まりやすいというのが経験上で思っています。
―KSD C120 を導入されたのが2021年とお聞きしております。
守屋氏)はい、そうです。
―KSDを知ったきっかけは何だったんですか。
守屋氏)昔機材を調べている時期にKSDの事を認識していましたが、C120については2020年のInterBeeで展示されていたことがきっかけでこのシリーズを知りました。
―そうでした。アナログコンソールと一緒に展示した年ですね。
守屋氏)C5,C8と一緒に展示されていて、大型の同軸スピーカーとして展示されていたことを記憶しています。自分がTANNOYのSGM10Bを使っていることもあって、同軸として後継機を考えていた時期でした。
―SGM 10Bは長くお使いだったんですか。
守屋氏)7年間ぐらい使っていました。
―KSD C120 を導入にあたり気に入ったポイントは何でしたか。
守屋氏)僕は同軸が好きなのでまず違和感が少ないというのと、モノラルソースのトラックのPANを振り切った時のレンジが非常に広い、二つのスピーカーを合わせればレンジが広いというスピーカーはかなりあるんですけど、振り切った時に低域もしっかり聴こえるというのがやっぱり一番頼れるところです。
―なるほど。あたらめたて理解が深まります。
守屋氏)次は歪みの少なさですね。もともと古いスピーカーを使っていて現代のスピーカーに比べると歪み率が大きいという点があるんですけど、そこに関しては今の技術で作られたものなので非常に少ない歪みで出来ているというのはとてもありがたいです。低域があると今までヘッドホンじゃないと聴けなかったインパルスのノイズとか、そういうものもはっきり聴こえるくらいなので。やっぱりそこはヘッドホンのほうが聴きやすいというのがどうしてもあるんですけど、そういったところもかなり匹敵するくらいスピーカーの時点で聴こえてくるっていうのは、やっぱりありがたいという。
―インパルスの歪みっていうのは。
守屋氏)インパルスっていうのは歪んでいたりすると高さが出ないんでその差が出なくなっちゃうんですよね。再生帯域が狭かったり位相がずれていたりすると、本来のインパルスから離れていっちゃう。
―なるほど。
守屋氏)あらゆる帯域のCOS波の位相をそろえて重ねるとインパルスになるという特徴があるんですけど、それがつまりスピーカーの特性によってインパルスがずれると高さが出なくなってしまう、聴こえにくくなってしまうという。部屋の環境だったり、いろんな要因が自分の耳に届く時点でどれくらい影響しているかっていう話でもあるんですけど、インパルスの再現において優秀になりやすいような方向性をもっているとか、工夫がされていると如実に特性が良くなるという。
勿論各メーカーそういうところにはかなり気を使っていて、あまりよくない環境だと性能が発揮できなかったりとか、往々にしてあるので、指向性のあるホーンスピーカーで、音が横にはみ出ることがないとか筐体が頑丈なのでそこが良い方向に作用してノイズとか落ち着くレベルになるのかなあと。いわゆるスピーカーの性能で部屋の特性を助けてもらっているというのはかなり感じています。
―このスタジオですとほぼ直接音が届いていますか。
守屋氏)いや、見た目ほどは制御できていな事が多いです。本当に徹底して設計したスタジオでもない限りは。ただ防音しただけのスタジオでは無響室の様に反響をゼロにしたりはできないですし、それをするのも特殊な環境すぎてあまりいいことではないと考えているので、どうしても理想特性っていうのは出ないですね。
そこらへんは自分の仕事がしやすいっていうのが各エンジニアさんあってそこを調整しなきゃいけないんです。
ここは特に外部からのノイズとかが多い環境ではあるので、あんまりいい点ではないんですけど。
―ここが完全な遮音ではないですしね。
守屋氏)そうですね出力がしっかりとれる言って言うのは外来ノイズに対してSNが取れるっていうのはあるので、そういう部分は助けてもらっているというのはありますね。
―そのほかにお気に入りポイントといえば。
守屋氏)内部EQの補正です。実はC120の同じユニットで他の補正回路の音を聴いたことがあります。それと比べるとKSDのほうが優れているというイメージがあります。
自分の予測ですがKSDは無響室でインパルスレスポンスとかスピーカーのデータを取って補正をかけてフラットな状態、位相とか完全に合う状態にして、専用コントローラー(KSD-RC)のイコライザーとは別にスピーカー単体として補正をかけているのだと思います。そしてそれが非常に大事な事なんだというのを、補正無しのユニットで試聴した事を通して理解しました。
内部EQの補正が正確であることがいかに大事かという、それが非常に魅力的である点かなあと思っています。
―KSDは大学の研究施設でデータを取っているようです。
守屋氏)なるほど。そうなんですね。
―守屋さんが聴いたそれはだいぶKSD C120とは違うんですか。
守屋氏)全然違いました。別物に感じます。低域は出てはいるんだけど、
しっかり聴こえないとか。C120の場合は解消されていますし、ハイ(高域)でガサガサしていた部分も全部治っちゃいました。
現代でデジタルの内部補正を使う事のメリットっていうのはかなり大きくて、まあ各社搭載していますし、やっぱり量産したりとか、あとある程度の性能を出すっていうので正確性を期すならやっぱり測定からのEQ補正っていうのが主流になっていて、KSDは今の時代のスピーカーなのかなあと。
ー当然そうですね。他にありますか?
守屋氏)あとはクロスオーバーです。クロスオーバーの繋がりが2WAY以上のスピーカーでは絶対気になるところですがC120は非常につながりが良くて、逆につながりポイントがよくわからない。つながりきった後のほうの上の金属ツイーター部分の感じとかとローエンドの素材の質感の部分は違うかもしれないけど、いざ繋がりの部分というのはほぼほぼわからない。
というのがあって今まで自分が使ってきたスピーカから格段に進歩を感じました。
ーよくどうしてもディップのようなものを感じるってことですか。
守屋氏)どちらかというと「シュワ」って聴こえるっていうんですかね。「シュワシュワ」しているという。
ー「シュワシュワ」。
守屋氏)というか僕は「リンリン」して聴こえるっていうか、そういう感じを受ける、これがそうなのかなあっていうのは何度かあります。
ーハイ(高域)が目立っちゃうというか。なんかこううまくなじんでない感じ?
守屋氏)歪みが多く感じるというほうが、目立っちゃうとか、そういうニュアンスで聴こえるってことが多いのかな。
ー確かに。
守屋氏)ニュアンスにごまかしがきいちゃうというか。まあ何をやってもそれっぽく聴こえちゃったりとか、そういう部分がクロスオーバーでは起きがちなのかなあとは思いますね。
ーなるほど。
守屋氏)音が聴こえなくなるというデッドポイント的な感じで印象を受けたことは逆にないですね。
ー周波数特性についてお聞きします。
守屋氏)いくつかのハイエンドスピーカーもちょっと聴いたことがあるのでなんですけど10点満点でいうなら9点。
ー足らない部分というかもっとこう理想というと何がありますか。
守屋氏)理想は振幅の頂点が見えるような音が聴こえれば理想なんですけど。それに近い体験をしたのは今まで1機種しかないです。それが聴こえるとは思っていなかったので、それを除くと本当に細かい点でいえばC120はかなりトップクラスかなあという気がします。
ー振幅の頂点が聴こえるとどんな感じなんですか。生っぽいとか?
守屋氏)いや生っぽくはなかったですね。むしろ生っぽくはなくて本当にCD波形のピーク点みたいなのが、自分の空気が、なんか音がこう、前後に動いて、そのピーク毎に動いていて、そのこの位置できっちり止まってます、みたいなのが見えるような体験をしました。自分が体験したのはその1機種です。
ー解像度に関してはいかがですか。
守屋氏)解像度もほぼほぼ満点に近い、10点中9点。そうですね。
ー解像度も嘘っぽいのかリアルか。作られた感じがやっぱり残っちゃうのか。
守屋氏)人工的な感じはしますね。KSDのそこは自分は悪いイメージではなくて。DAWで波形を見ているときのような感覚。無機質な波形を見ているような感覚で見れるのでアーティスティックではないんですけど、問題点と現状っていうのが非常に把握しやすいという事は感じることが多いです。これは自分で使ってみて驚きだったんですけれども音作りをする事とか、曲を作る事とか今でもあってクリエイティブな方面に使ったら逆にダメなんじゃないかって思っていたら、むしろ今までよりスムーズに進む部分が多くて。
ーおー。
守屋氏)これに関しては自分ではしっくりこないんだけど現実として作業はスムーズに、クリエイティブな発想とか浮かぶし。
―音作りをする中で創作意欲が湧くという。
守屋氏)そうなんですね。逆になんか無機質みたいなものしか感じないのに創作意欲的なアイディアが湧くっていうのは面白いスピーカーで、やっぱりちょっとインテリアに優れたスピーカーで作業してみたいとかそういう気持ちもないわけではないし、そういうのが上がるのかなと、あと派手な音してるとかそういうのを思ったことは何度もあるんですけど、それよりかははるかにスムーズに作業が進んだりする点もあるので。
―見えるからもうちょい先行ってみよう。みたいな?
守屋氏)自分の思った通りに反応するので予想が成功しやすいというのはあると思います。
自分が予想した通りに行くし、予想していなかったこともいい結果で回る事とかも結構あって。これって良かったんだなって思えることが増えましたね。昔に比べると。ちょっと嫌だなあって思っていた機材が実はそんなことはなかったなあとか。まあそういったことが増えたような気がします。
―自分で録ってきた素材とか、他人がとってきた素材っていうのは何か感じたり?違和感とかあったりしますか?
守屋氏)自分はレコーディングをそこまでしないっていうのはあるんですけど他人が録ってきたもの、自分が録ってきたものですごく何かあるとか、まあそういう事はむしろ感じないというか、それがDAWで見たときに近いというか、DAWで波形とれば自分のものだろうが他人のものだろうが同じに見えるわけで、どっちにしてもちょっと客観的に見えるのが良いのかなあと。熱くなりすぎないし、そして冷めすぎもしないというのが良い部分かもしれません。
―よく言われますね、KSDはクリエイティブな部分が発想しやすいと。
守屋氏)使ってみるとクリエイティブな部分は全然ないんですけど、クリエイティブ方面でアイディアがしっかり湧くことをしているなっていうのは感じます。
―定位についてはいかがですか。
守屋氏)定位は初めてお店で聴いたとき、お店で使わせていただいたDAコンバーターの時は凄く良かったんですけど、このスタジオで再現することができなくて、それがコンバーターのせいなのか、他に原因があるのか、僕はそのAD入力で入れているので(アナログ入力)どうしても理想解像度が出ていない、KSDは内部でAD/DAコンバートをしているから、絶対に余計な劣化を挟んでしまうという、多分デジタルで受け取って、DAだけで済ますというのが想定していると思いますのでそれであればさらに定位が良くなるのかなあっていう期待はあります。ちょっと評価ができないというのはあります。8点くらい。
―原音との忠実性について。
守屋氏)これは非常に良くて、最初に話した周波数特性に近くてかなり忠実だと思います。良く聴こえちゃう要素がない代わりにちゃんとあるものはすべて描き出してくれると。そこが感性に訴えかけるかどうかは自分が経験を積まないといけませんがちゃんといろんな音楽変化、微妙なところから大きいところまであると思うんですけどそれを網羅している感じは凄くあるかなと思います。ポテンシャルが非常に高いので逆にきれいに鳴らすためには部屋のほうも要求値が高くなってくる、逆に言えば末永くつかっていけるのかなあとという感じはしています。
―ところでKSD以外に好きなスピーカーといえば。
守屋氏)そうですね。5機種あって1機種はPMCのQB1A、これがそのピークの高さが見えるようなものが感じられるスピーカーで超巨大なスピーカーです。ウーハーは10インチが4発です。1チャンネルで。かなり低域再生能力に特化したスピーカーです。
―めちゃくちゃでかいんですね。
守屋氏)デカいです。壁埋め込み型スピーカーです。これが自分が今まで聴いた中では低域の再現性が高いです。で次がALTEC 612Cシリーズ。これいっぱいバリエーションがあって。時代によっていろいろありますがあのウーハーが好きです。これは生ドラムが本当に生ドラムっぽく聴こえるんですよ。当時の時代のスタンダードになった機種でこれは歴史的なあこがれもあって、これが一番最初に15インチ、ラージサイズのスピーカーが良いなあって思わせてくれた機種です。別のスタジオで聴かせてもらったスピーカーです。
次にあげるのがKii THREE BXT Systemこれは草野華余子さんのスタジオで導入されて聴かせてもらったんですけどこのサブウーハーはすさまじい性能でしたね。レンジ感はKSDと同じだったんですけど、指向性制御がうまくいってるのか、圧倒的に高い解像度とレスポンスを示していて、そういう面では細かい部分が見えます。KSDもかなり細かい部分が見えますが。非常に反応の良いスピーカーです。
次はMANLEY ML10で渡辺敏弘さんが愛用されているスピーカーで、まあこれでプロの音とは何ぞやというところを教えて頂きました。TANNOY SGM10Bもそうですね。
最後はSONY ZSM5 ,これはよくスタジオに置いてあるラジカセですがミッドレンジに特化した鳴り方をするんですけど、これを聴いておくと、PCモニターの安いスピーカーであるとか、あとiPhoneであるとか、ああいうところでの音量感とかの参考にするにはいいスピーカーです。あとイコライザーとかいじっても反応してくれるんです。なのでこれでやって戻っても意外と破綻していなかったり。最初から最後まで作業することはできないんですけど、自分がおかしくなってないかなとか確かめなきゃいけない時にすごくいいスピーカーですね。僕はマスタリングやっていて全体の曲通したときの音量の並び方とかを聴くとある意味ではKSDよりもZSM5を優先するときもあります。
―確認ですね。
守屋氏)そうですね。まあでも確認用でありつつ、このままエディットにも繋がれる、全体的に整っていれば、ハイエンドとかローエンドとかやらなければ全然いけます。
―リモコンKSD-RCは接続したままでご使用ですか。
守屋氏)はい、そうです。但しアナログ入力だとMID/SIDEは無効ですね。
レベルの再現性が高くて非常に助かります。
先にあげたKiiAudioもデジタルコントローラーがついていて、ボリュームがSPLで表示されています。詳細な基準などは確かめてないんですが、実測した値とは近かったので推奨されたリスニングポイント、出力値であれば大体表示通りになるのかなと。自分がどれくらいのSPLで聴いているかがある程度わかって非常に助かりそうでした。
―Grace Designのモニターコントローラーはその機能を搭載していますよね。SPL表示ができますね。
守屋氏)その機能は知らなかったです。
―Grace Designのリモコンにはマイクが搭載されていますよね。
守屋氏)なるほど。リアルタイムで実測できるんですね。ボリュームを規定して決めるのは大事ですから。デジタルコントローラーがあることによっていつも同じ音量にできるっていうのは本当にありがたいです。
今回は貴重なご意見ありがとうございました。
<プロフィール>
守屋忠慶(モリヤタダヨシ)氏
A.O.M.株式会社所属
製品監修・マスタリングエンジニア
1984年生まれ
千葉大学卒
在学中より作編曲、バンド活動のほか、個人や商業のマスタリングを請け負う。 フリーの時期を経てA.O.M.株式会社に入社。プラグイン開発と共に、引続きマスタリング事業を行う。