ユーザーインタビュー

第24回  Basiscape / コンポーザー
金田充弘(Mitsuhiro Kaneda)氏




金田氏)会社名でして、主にゲーム、たまにアニメみたいな感じで音楽の作編曲、サウンドデザインなどを行っている制作集団で、そこで専属作家をしています。



金田氏)はい。弊社の社長の崎元仁は「FINAL FANTASY XII」の音楽の作曲などで有名です。



金田氏)ゲーム方面ではわりと忙しくさせていただいております。



金田氏)私は30代でこの仕事に就いたので普通の人よりは遅いと思います。まだ20年には満たないですが、そこそこ長いでしょうか。



金田氏)それまでは某ゲーム会社で働いていました。



金田氏)最初ゲーム音楽の作家を目標にゲーム会社に入ろうとして。大学の頃、サウンドコンポーザーというのをアルバイトでやっていた人がいて、自分もそういうアプローチの仕方をしていたのですが。



金田氏)今思い返せばそんな甘くはないはずなのですが、当時はそんな気持ちでコンタクトを取っていました。その後、結果的には最初はサウンドグループのプログラマーとして入社し社員として働いていました。



金田氏)中からゲームの音にかかわる。クリエイターの皆さんとどういう風に音楽が関わって、効果音と音声が関わってというのを学べたと思います。



金田氏)いろんなタイプがあって。自分たちの時代はインタラクティブミュージックみたいな展開に応じてどういう風に音楽が変化するかとかそういうのがちょっとづつそういうのをやっていかなくてはいけないみたいな頃で。そういう意味ではゲーム以外のメディアとか今ない仕組みの作り方とか、面白い展開とか、一般の普通のポップスなのに、ゲームの展開によって途中でAメロが悲しいバージョンになったりとか、そういう事などを考えて。



金田氏)リズムゲームとかでうまくいくと曲が高揚していって失敗するとしぼんでいくという。



金田氏)機構は複雑なのですけどこういうのをどういう風に実現していこうみたいな。上記は自分が直接担当したものではないですが、会社的には今までなかったタイプのゲームをチャレンジしてる社風もあったので面白いものが結構ありました。



金田氏)そうですね。



金田氏)音楽(作曲)の仕事をやろうと思っていたので退社して。



金田氏)そうですね。そのゲーム会社に入る前に坂本龍一さんと岩井俊雄さんのコンサートをサポートするプログラマーをしていて、コンサートの最中に教授の弾いたピアノ、ヤマハのピアノでMIDIの出力から弾いたデータを映像に変換するプログラムとかを作ってました。当時学生だったんですけど。その時に教授が弾くグランドピアノの音が毎回リハーサルで聴けるんですけれどもめちゃめちゃいい音で、リハなので間違ったりはしますけど基本的にはすごく良いサウンドで。教授の既成の有名な曲を弾いたり、あるいは特別な即興をして、その即興を抽象的な映像に変換しそれを見ながら更にその即興のイメージを膨らませるみたいな、演奏⇒映像⇒演奏というフィードバックループ。



金田氏)実際は映像に出しているだけなのですけどそれを演奏者が視覚を通して再度取り込むことによって意味が出てくるという。



金田氏)まさにそうですね!ただあくまでこれは岩井俊雄さんというメディアアーティストの方の発案であり作品の一連の展開の一つという事ではあるのですが、自分はプログラムが出来たので自分はそちら側のサポートという形で参加させていただきました。



金田氏)ダムタイプですよね!大好きです!



金田氏)アート系のパフォーマンス集団としてはめちゃめちゃ有名でして。



金田氏)映像の方とピアノの方ですよね。ダムタイプといえば、音楽を担当している池田亮司さんが、「スピーカーは最後の楽器。」とおっしゃられていた事がとても印象に残っています。ライブをするコンサートホールのラインアレイスピーカーの指向性、放射音場をシミュレートしたりして観客にノイズや低音がどういう風に届くかまでも作品の一部に組み込んでいたりして、ほんとうにすごい体験でした。



金田氏)それはそれで影響を受けつつで、話、脱線していますけど。(笑)



金田氏)15年以上前からずっと。



金田氏)はい。



金田氏)打ち込みなどのそういう作業はここで。録音はここではできないので外のスタジオへ行って。



金田氏)確かDYNAUDIOのBM5Aだったと思います。



金田氏)7インチですね。



金田氏)そうですね。最初に使ったので6~7年くらい?正直そのころスピーカーにも詳しくなくて、その当時もなんとなく劇伴っぽい音楽をメインに考えていたので、ちょっと中域が目立つ方向というよりもう少しフラットに聞こえるスピーカーでいいかなあって思って。



金田氏)ADAMのA7でした。リボンツイーターの。でも半年くらいで変えちゃったような。BM5Aから同じサイズの移行だったんですけど、音がかっこよくて気に入ったのですが、そのころから低音が見えないのが気になってきたのと、このレンジ、この価格帯のスピーカーでいいんだろうかと疑問を持ち始めて。カッコイイのですが、なんか音の全体的な情報が足りないような気がして。



金田氏)2010年よりもうちょっと後くらい?だったかと。



金田氏)はい。で次にFocal Twin6 Beですね。



金田氏)6~7年くらいでしょうか。みんな大体7インチなんですね。今まで使ってきたのが。それ以上にするとこの部屋だと低音が回っちゃうのかなと勝手に思っていて、なかなか大きいのにする気持ちになれず。そのころ壁の吸音とかも無頓着で。今でもそうですけど。今よりももっと無頓着だったので。



金田氏)はい。スタジオではそういう風にしてあっても、まあ自宅作業ではいいんじゃないのかなあって。ヘッドホンも使うし、くらいにしか思っていなかった。



金田氏)いろいろヘッドホンも気になって試して。



金田氏)なんか皆さんと同様難しいのかなあって。なんとなくの空気感にのみ込まれつつ実際正確に聴こえてないから難しい。
スタジオ行くとオーケストラのグランカッサ(大太鼓)が「ドーン」っていうのが終わりのほうまで良く聴こえて。リズムでもキックの「ドスッ」の「スッ」の後あたりまでしっかり聴こえるのに自宅だとベースとキックが何にもわからない音域もあって。想像でやるしかなくて。



金田氏)弊社にYAMAHA のめちゃめちゃ大きい(NS-2000?)のが置いてありまして、決して新しいスピーカーではないんですけどすべて聴こえる感じがして。それで見えてくる音は全く違うんです。一般的な7インチくらいのスピーカーとは。これが聴こえないとやる気もなんかへこんでくるなあと(笑)



金田氏)Focalはお店で視聴させていただいた時に、音としてはそれはそれですごく良いと思って勢いで買ってしまって。気に入っていました。今まで買ったスピーカーの中では俄然やる気も出てきたんですけど。ただしばらく使用していてちょっと部屋の特性のせいなのか、音の広がりの相性が今一つで解像度が下がっちゃう感じがしてきました、反射の影響が強くて。作業部屋では少し鳴らしづらい部分もあったかもしれないなあと。



金田氏)まあそれでも良かったんですけど。でFocalもいままでと同じ7インチ(6.5インチ)のウーハーで、使ってきた中ではバスレフ形式でありつつも低音も自然に伸びて自然に消えていく感じは好印象で。ただ、もうちょっと何とかしたいとまた思い始め。



金田氏)はい。ATCは買える、買えないは別として一度は聴いておこうと思って聴いたらすごく良かったです。一つの目標がここにあるのかなあっていう気持ちに勝手になってしまったという。あとムジークのRL904とかはよく使わせていただいているスタジオで聴いていまして、ちゃんとしたグレードの音ってこれなんだと思っていました。



金田氏)そうですね。



金田氏)作業部屋でメインで使用していたモニターに兼ねてから低域不足を感じていたんですけど、部屋は約9畳ほどとさほど広くなく、高価なサブウーハーを置くのも非常に難易度が高いのでは?とも思われる環境でも、より下にレンジが伸びたモニターを導入する事は可能か?とモニターの入れ替えを検討し始めました。それで、最近流行のコンパクトな3WAYのタイプを中心に物色し始めました。



金田氏)はい。あとは同業者の中で使っている方がいる事を知り、その方がレビューをご自身で上げていた事など。その当時の情報はその程度のもので。あとは実際の知り合いの方が旧タイプのCoaxシリーズを使っていたりとか。



金田氏)はい、初めて知ったのはその頃です。



金田氏)自分もちゃんと聴いたことはないのですがサイズにしてはちゃんと鳴っているなぁという印象でした。
なのでその頃はまだ「うわさに聞く評判の良さそうな少しユニークなメーカー」というぐらいの認識でした。



金田氏)移動や持ち出すことはないんですが重すぎない事。一人で持てる事。作業部屋に設置する時に一人で持たないといけないので。部屋のアコースティックの調整していてスピーカーを動かしていたら、昔腰を痛めてしまって。
あとは、リスニングポイントで部屋の壁の影響を受けづらいとか。そしてMIXがしやすい音であることです。



金田氏)そうですよね。(笑)例えば分離が良かったとしてもこのスピーカーだったら何聞いてもそうなんじゃないの?みたいな疑問とか、やりやすいけど一般的じゃないバランスかもしれないし?みたいな事を考えるときりがなくて、どのスピーカーだってそれなりに良いんだから、なんだっていいかもしれないという気持ちはあったりしました。
でも、その上で自分でここが弱点かも?と気にしているところがよく見えたり、こういう音ならやる気が出て仕事ができる!、とか思えるなら、それが自分にとって良いスピーカーという事でいいのではと。仕事は何でもできるんだけども、自分に合っていると思えたもので、且つ、それが実際に実作業する上で効果があれば成功みたいな。だから割とそれなりに慎重になって探していました。



金田氏)はい。このスピーカーだと上達できるっていう。自己満足でもいいからそう思えるというところに。



金田氏)正直判らないです。だからもう例えばNeumannとかにすればいいじゃないと一時は思っていたんですけど(笑)。でもA200mk2を聴いてしまったら、これは出会ってしまったかもしれないと。



金田氏)サイズ的に今どきのコンパクトな3WAYだった事です。あとモニター系なのに音がオーディオ的でもあり、凄く好みでしたね。仕事系のスピーカーしか知らなかったんですけど、5,6年前から一般のコンシュマーオーディオの音ってどうやって作ってるいんだろうと興味が出始め。若い人の間でもオーディオの趣味が広がってきているのもあり。たとえば、Focalでもモニター用とリスニング用があったりとか。それで民生用ってオーディオ的に気持ち良く聴こえるように頑張っている一方で、逆にその成分が業務用には必要ないのでこういう音なんだなとちょっとわかるようになってきました。Focalはモニター用とリスニング用ではだいぶ差がありましたね。リスニング用はここまで着色するのかと。



金田氏)一方であなたはその脚色された音が良いと思うのか?と突き付けられた気もして(笑)、それぞれのメーカーには独自の音があって。例えば、キラキラしているとか、厚化粧のような雰囲気とか。



金田氏)自分が今まで使っていたFocalもベリリウムツィーターの高域はかなり高いところまでめちゃめちゃ自然に伸びていて、A200mk2と比べてもあらためて凄いなあと感じてはいまして。



金田氏)そうですね。ピュアオーディオ面白いなあって。時にピュア系のパッシブスピーカーで仕事できるものあるかなぁ?と思ったりとか。ピュアオーディオ系のスピーカーとセレクターで切り替えられるようにして休憩用途で切り替えたりとか。遊びながらそんなことをしていたのがここ数年です。



金田氏)なんか面白くなってきちゃって。



金田氏)なんかその差を楽しむというか。面白ですよね。各社のキャラクターがあって。



金田氏)最初Referenceシリーズをお店で聴いたときはそう思いましたね。売れてそうだなぁって。



金田氏)A200mk2 をロックオンさんで聴いたとき、他のメーカーと比べて圧倒的にきれいな?音だったんですよね。こんなに良いんですかって質問したら、聴いた方みんなが良いっておっしゃるって言ってて。その時まで全く知らなかった機種だったので予想以上にびっくりしたんですけど。
でも改めて定番機種と比べると、色付けはあるほうなのかなあとも思うのですが。逆に言うと色付けをあえて無くしている風を醸しているメーカーもあるので、そういうのと比べたらというくらいで。まあそこは好みでいいんじゃないでしょうか?



金田氏)かなり良かったですね。良く聴こえます。多分NeumannとかもいいんですけどKSDを聴いたときもいいなあって思いました。



金田氏)FIRTECの効果はなんか感じましたね。意味不明な実在感。音の解像度と言っていいのか、リアルで細やかなディテール感。他のスピーカーでは感じる事のなかった、「あらためて作り直されたリアルさ?」のようなものを感じて。例えばADAM A7とかのリボンツイーターの音って、カッコいいけど人工的な?飛び出し方がするなあと思ったんですけど、それよりももっとコントロールされた上で、再構築された結果全体がガッツリこうくるっていう。



金田氏)その特殊な素材によって得られる綺麗さとは別に、一見普通の素材を使用しているはずなのに、そのイメージと一致しない解像度が出てしまっているというギャップが。



金田氏)今どきのスピーカーなのに昔のピュアオーディオのスピーカーで聞きなじみのある素朴な印象もあるというか、最初びっくりしましたね。いろんなメーカーが独自のキャラをもっている中でKSDは「えっこれでいいんだ?」って思いました。(笑)で、「いや逆にむしろこれが欲しかったかもしれない?」と。



金田氏)DSPくささが嫌いで。Neumannとかは素の音がフラット志向なものだったから定規として素晴らしいものにDSPを搭載したという意味で、道具としていいんじゃないかなぁと思いますし、DSPでフラット化させた音は仕事の流れ上、すごく役に立つ場面はあると思うんですけど、それでもDSPかける前の音が断然良いのはよくわかっているので、DSPオフでの元の音の魅力もやはり重要だなと。
KSDのFIRTEC技術は最初からある意味デジタル処理の経由が必須で、にもかかわらず出てくる音がめちゃくちゃ良いのでそこが最高です。デジタルなのにむしろアナログっぽさが際立って聴こえる。
他にはDSPで期待した以上にある程度細かくEQ補正ができること、低音が~28hzと十二分に出るわりに、あまり広くない部屋でも思った以上に鳴らしやすかった事。そしてFIRTECという技術によってもたらされる定位の明瞭さと音のつながりなどに感動しています。



金田氏)あとはウーハーが大きめな(10インチ)モニターなのにもかかわらず一人で持てる重さだった事。これはなかなかないと思います。(笑)



金田氏)そうなんです。



金田氏)競合しそうな他社メーカー有名機種と比較しても十分なフラットさがあると感じました。
それでいて音の彫り自体は深く、平面的でつまらないと感じません。低域はこぶを感じさせずにかなり自然に最低域までのびているように聞こえました。(他社製品にはちょっとした強調を感じるものが多いと思います。)



金田氏)自分が今まで使用したモニターの中では一番高いと感じました。
この点において優れている同価格帯の他社有名機種のいくつかと比較しても純粋な優劣はわかりませんが、この機種ならではの解像度の高さがあると思っています。



金田氏)ビックリするほどハッキリしていたので思わずビックリしてしまいました。



金田氏)自分がいままで使用したモニターの中では一番素晴らしいと感じております。
ホンモノよりリアルっぽく聞こえるのでは?と思ってしまうような時も。



金田氏)小音量でも安定したパワー感を得られ大変聴きやすいです。



金田氏)グランカッサ(オーケストラの大太鼓)が鳴り終わる付近まで確認できるようになりました!オーケストラの最低音が確認できるようになりました。映画のオケのサントラ、例えばミッションインポッシブルとか007とかインパクトのある大太鼓が「ドーン」ってなったりするその余韻がどれくらい長く引っ張ってるとかの部分が。サブウーハーがないと聴こえないようなギリギリな音がA200mk2だったらお尻のほうまで確認できますね。30Hz近辺までは聴こえますね。



金田氏)そうかもですね。どんな楽器にも低域って入っているんだと。存在感を感じ取れますね。あとベースライン全体の音量のばらつきがわかりやすくなりましたし、各音の定位や分離感が抜群にわかりやすくなりました。
ミッドレンジなどもより深く聞こえ、個々の楽器の物質感?やディテールがよりつかみやすくて全体的に音の止まり方もよりハッキリ聞こえるようになりましたね。それとやはりモニタースピーカーにもかかわらず音楽を聴くのが楽しい。



金田氏)最初ロックオンさんで聴いたとき、音楽聴くのに向いてますよねという話でも盛り上がって、改めて今ここで聴いても本当にそうだなと。



金田氏)フラットといいつつ、音の彫りが深くて聴きごたえがすごくて。



金田氏)そうですよね。彫りの深さや奥行きを感じます。KSDは本当に突然聴いたのですが、一聴ぼれした割にそれは間違ってなかったなあって。



金田氏)レビューを書かれているC120ユーザーの守屋さんはSNS上では存じておました。自分もA.O.Mさんのプラグインのユーザーで、SNS上で書かれていたコメントもよく見ていて。マスタリングエンジニアの方がずいぶん古めかしい形のスピーカーを使うんだなあ?と最初は思ったのですが、それが現行品のKSDのスピーカーだと後から知り。守屋さんのC120のレビューを見た時は「あ、ついに!」と。



金田氏)いいお言葉ですね!



金田氏)みんなそれを音で認識して、わかるという。



金田氏)間違いなかったかのかなぁと。



金田氏)ここまで低音の出るモニターですと部屋のモードや定在波を内部DSPの援用でどの程度改善させるかのバランスについては、ある程度試行錯誤したい人は多いだろうと思うのでDSPのオンオフを簡単に変えられたら大分違うだろうと思いました。さらにコントローラなしでもPC上のアプリからDSPにアクセスできるようになれば最高です。



金田氏)いくつかありますが。

<SCM25AProMk2>

大分前からの一聴惚れだったので重かろうが高かろうがと思ったのですが、このご時世であることと諸事情により断念。

A200mk2のミッドレンジのソフトドームの印象にはなんとなくこちらのテイストも感じられる気がして、それが今回の購入動機の一つにもなっているかもしれません。

<NEUMANN KH310>

間違いないだろうと思っていました。高域の伸びがやや弱いところがちょっと気になっていました。A200mk2の高域はもう少しだけ伸びています。それでいて痛くないです。

<APS AETHER>

面白そうなので実はかなりの真打候補でしたが、聴いたことはありません(汗



金田氏)そうです。モニタースピーカー。別機種のAPS Klassikというモデルはヨーロッパのフォーラムなどで記事に取り上げられていましたけど初代機は、まだ販売しているかどうかは忘れてしまいました。きっとガレージメーカーだとは思います。ある方に教えてもらって、サイトで詳細を見て、この値段でこの性能という部分でとても興味を持ったのですが、残念ながら聴いたことはないんですが。



金田氏)その他ですと間違いない出音という意味ではAmphionなども気になっていました。またあくまで興味という意味ではKii THREEやDutch & Dutch 8cあたりもテクノロジー的に面白そうだなと。狭い部屋でも音響の放射特性をコントロールしつつ良く鳴らしていける技術は今後ますます進歩する気もして、それをスピーカーボックス側から主体的にコントロールしてゆく発想にはロマンを感じます。そういう意味ではFIRTECの技術も他社製品からは得られない音質的なメリットを引き出しているように感じられ、凄いなぁと思っています。

買い替えのきかっけとして思っていたことは、作業者の所でいかに音が正確かという事と、部屋全体に、後ろのほうにいる人でも割と良く聴こえるスウィートスポットの広さも売りにするっていう二つポイントがあるとすると、自分は前者を重視してて、そういう意味だとFocalは自分の作業ポジションだとピントが合いきらなかったところはありました。



金田氏)本当は狭い部屋で仕事するには同軸が優位なんだと思います。ただ今回はコンパクト3WAYを探した結果としても十分良かったのでとても満足しています。


<プロフィール>

ベイシスケイプ/Basiscape  コンポーザー 

金田充弘(Kaneda Mitsuhiro)

ゲームやアニメなどの作編曲をオーケストラ、アコースティック、歌ものから電子音楽にいたるまで幅広く手掛ける。